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演出ノート/「おはよう、わが町」

ありがとう、を言うために

この『おはよう、わが町』の稽古をはじめてから、なんでだか、じいちゃんやばあちゃん(あ、私の、です)のことをよく思い出します。じいちゃん(永山行盛、とい います)は、私が小学校に入る前に亡くなってしまったのですが、その葬儀(まだ土葬でした)の時のことや、ばあちゃん(永山キセ、といいます)が夏休みにくれたサイダーのことや、何よりも好きだった、ばあちゃんのつくったガネの味がいつまでたっても忘れられないのです。
思えば、わたしという人間は、そんな風に、かつて生きていた多くの人の血や、思いや、願いのおかげでここにいるような気がするのです。そして、町もまた、これまでこの町で暮らしたすべての人の思いや願いで、今のこの町はできているような気がするのです。
ありがとう、と、あらためて言うために、この町に今暮らすみなさんと、こんな作品をつくってみました。
生きている人、生きていた人、ひとりでも多くの人に、届くといいなぁ、この「ありがとう」が。

「おはよう、わが町」演出 / 永山智行(劇団こふく劇場)